「いやー、今日は楽しかったわー」 「まったく、聖ったら。祐巳ちゃんに申し訳ないと思わないの?」
「祐巳さんは祥子さまのコートを脱がした太陽みたいだなって、そう思ったんです」 「とすると、私たち三年生は北風か」 「そうなりますね」
「いやいや、まさか祥子が、あんな思い切ったことをするとはねえ」 聖が首を振りながらため息を吐いた。だが口もとに、こらえきれない笑みが浮かんでいる。 「祥子にも驚いたけど、あの子、祐巳ちゃんって言ったっけ? あの子もなかなか面白そうな人材」 江…
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